群馬の伝統が息づく!高崎だるま市と伝統工芸の祭典に触れる旅

群馬県高崎市は、古くから「だるまの里」として全国的に知られています。その高崎で毎年盛大に開催される「高崎だるま市」は、単なるお祭りではなく、群馬に根付く伝統工芸の精神と文化を肌で感じられる、特別な祭典です。今回は、高崎だるま市を中心に、群馬の伝統工芸が織りなす魅力をご紹介します。

日本一のだるまの生産地、群馬・高崎

なぜ高崎が「だるまの里」と呼ばれるようになったのでしょうか。江戸時代、高崎市では養蚕が盛んに行われていましたが、凶作に見舞われた際に、だるま作りが副業として奨励されたのが始まりとされています。その後、高崎の農閑期の重要な仕事としてだるま作りが発展し、今では全国のだるま生産量の約8割を占める、まさに「だるまのふるさと」となりました。

高崎だるまは、福を招く縁起物として、また選挙の際などに「当選だるま」としても使われることで有名です。群馬のだるまは、願いを込めて左目を入れ、成就したら右目を入れるという習わしがあります。

盛大な「高崎だるま市」:新年の群馬を彩る伝統行事

毎年1月6日、7日にJR高崎駅西口駅前通りを中心に開催される「高崎だるま市」は、新年の群馬を象徴する一大イベントです。

  • だるまの競演: 通りには、大小様々なだるまを売る露店がずらりと並び、訪れる人々を圧倒します。赤いだるまはもちろん、金や銀、カラフルなだるまなど、色とりどりのだるまが競い合う姿は圧巻です。
  • 福を呼ぶ掛け声: 「おまけするよ!」「福だるま!」といった威勢の良い露店商の声が飛び交い、活気に満ち溢れています。だるまを買い求める人々で賑わい、新しい年の福を願う熱気に包まれます。
  • 伝統工芸の技: だるま職人による実演販売が行われることもあり、群馬の職人たちの伝統の技を間近で見ることができます。一つ一つ手作業で丁寧に描かれるだるまの表情には、魂が込められているようです。
  • その他のお祭り: だるま市に合わせて、だるま供養や様々な伝統芸能の披露など、イベントも多数開催されます。新年の群馬の風物詩として、多くの人々が訪れます。

だるまだけじゃない!群馬の豊かな伝統工芸

高崎だるま以外にも、群馬県には脈々と受け継がれてきた伝統工芸が数多く存在します。

  • 桐生織(きりゅうおり)群馬の東部に位置する桐生市は、1300年以上の歴史を持つ織物の産地として有名です。繊細で美しい絹織物は、かつて日本の主要な輸出品でもありました。現在も、着物地からネクタイ、ストールなど、様々な製品が作られており、群馬の技術の粋を感じさせます。
  • 伊勢崎絣(いせさきがすり): 伊勢崎市で生産される伊勢崎絣も、群馬を代表する伝統的な織物です。独特の風合いと柔らかな色合いが特徴で、国の重要無形文化財にも指定されています。
  • 渋川はりこ: 高崎だるまとはまた異なる魅力を持つ、渋川市に伝わる郷土玩具です。和紙で作られた素朴な味わいのおもちゃで、動物や人物など、様々な形があります。
  • 上野村の木工品群馬県南西部の山間にある上野村では、豊かな森林資源を活かした木工品作りが盛んです。温もりを感じる木の器や家具など、職人の技が光る逸品が生まれています。