
精神疾患とともに、心穏やかに生きる
こんにちは。カウンセラーの塚越です。私自身も精神疾患を抱えながら、皆さんの心の健康をサポートしています。病状が安定しない時期の苦しさは、経験した人にしかわからないものがありますよね。私も「この不安定な状態から抜け出したい」と、何度そう願ったかわかりません。
病状の安定は、単に症状が消えることだけを指すのではありません。それは、自分自身の心の波を理解し、その波に揺られながらも、自分らしく日常を送れるようになることだと、私は自身の経験から学びました。
今日は、私が考える「病状を安定させるためのメンタルケア」について、具体的な視点でお話ししたいと思います。薬物療法とカウンセリングで土台を築きつつ、日々の暮らしの中で実践できるケアに焦点を当てていきましょう。
病状安定への第一歩:自分を知ることから始める
病状を安定させる上で、最も大切なのは「自分自身の特性」を知ることです。これは、私がカウンセリングでも繰り返しお伝えしていることです。
- 自分の「トリガー」を特定する: 何が不安を強くするのか、うつ状態に引き込むのか、躁状態を引き起こすのか、あるいはパニック発作の引き金になるのか…。例えば、特定の人間関係、睡眠不足、過度なカフェイン摂取、特定のニュースなど、人によってストレス要因は様々です。これらを記録することで、適応障害やPTSDなど、特定のストレス反応と向き合うヒントが見つかります。私も強迫観念が強まる時や離人感がひどくなる時の漠然とした不安の背後にあるものを意識するようになりました。
- 症状の「波」を記録する: 気分の浮き沈み、睡眠時間、食欲、活動レベルなどを日誌につけることをお勧めします。双極性障害であれば躁状態とうつ状態のサイクル、不眠症であればその日の睡眠の質、過食症や拒食症といった摂食障害であれば食事の内容と感情の繋がりなどが見えてきます。これは、医師やカウンセラーに自身の状態を正確に伝える上でも非常に役立ちます。
- 自分の「心の声」に耳を傾ける: 「今日は疲れているな」「少し無理をしているかも」といった心のサインに敏感になることです。特に神経発達症(ASDやADHD)の特性を持つ方は、感覚過敏などからくる疲れに気づきにくい場合もあります。自分の正直な感情を受け止める練習をすることで、心の回復力が高まります。
日常生活に溶け込ませるセルフケアの習慣
病状の安定は、特別なことだけから生まれるのではありません。日々のささやかな習慣の積み重ねが、心の土台を強くします。
- 規則正しい生活リズム: これが基本中の基本です。特に睡眠障害を抱える方にとって、一定の時刻に就寝・起床することは、脳のバランスを整える上で非常に重要です。不眠症の改善には、眠れない時の対処法だけでなく、日中の活動リズムを整えることが欠かせません。
- 心と体に優しい食事: バランスの取れた食事は、脳の健康にも直結します。特定の栄養素の不足がうつ病の症状に影響することもありますし、アルコール依存症からの断酒を試みる際には、食事のケアも大切です。
- 適度な運動: ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かすことは、ストレス解消になり、気分安定にもつながります。これは、パニック障害や全般性不安障害の不安症状を和らげる上でも有効です。
- リラクゼーションとマインドフルネス: 深呼吸、瞑想、アロマテラピーなど、自分がリラックスできる方法を見つけましょう。強迫性障害の強迫観念に囚われがちな思考を一旦手放し、今この瞬間に集中する練習は、心の過活動を鎮めるのに役立ちます。
- 情報との付き合い方: ネガティブな情報過多は、心を疲弊させます。SNSやニュースとの距離を見直すことも、心の安定には必要です。
治療の継続と、他者との繋がりを大切に
病状の安定は、決して一人で成し遂げるものではありません。専門家のサポートと、周囲との繋がりが不可欠です。
- 薬物療法とカウンセリングの継続: 医師から処方された薬物療法は、脳の神経伝達物質のバランスを整え、心の土台を安定させる重要な役割を担います。統合失調症、双極性障害など、症状が重い場合や再発予防には特に重要です。同時に、カウンセリングを通じて自身の思考パターンや対処法を学ぶことは、薬だけでは到達できない深い回復をもたらします。トラウマ克服や解離性同一性障害の治療など、複雑な症状の場合、カウンセラーとの信頼関係が回復の鍵となります。
- オープンなコミュニケーション: 家族や信頼できる友人、職場の理解者など、自分の状態を正直に話せる相手を持つことは、心の負担を軽減します。社交不安障害で苦しむ方にとっては勇気がいることかもしれませんが、小さな一歩が大きな支えとなります。
- 高崎の地域資源を活用する: もしあなたが群馬県高崎市にお住まいなら、地域の精神科やメンタルクリニック、そして支援団体などのリソースを活用しましょう。専門医による診断は、適切な治療法へ繋がる第一歩です。私も含め、あなたの克服を応援する専門家がここにもいます。
病状安定の先にある「自分らしい生活」
病状が安定してくることは、新しい自分、より豊かな生活への扉を開くことだと私は信じています。うつ病克服、パニック障害の改善、ギャンブル依存症の克服など、それぞれの病を乗り越えた先には、必ず希望があります。
今日からできる小さなケアを一つずつ取り入れてみてください。焦らず、一歩一歩。あなたの心の回復を、心から応援しています。