
気分障害とは?原因・症状・治療法を詳しく解説
気分障害とは
気分障害とは、感情や気分の持続的な変化によって、日常生活に支障をきたす精神疾患の総称です。主にうつ病や双極性障害(躁うつ病)が代表的で、数週間から数か月以上にわたって気分が極端に低下したり高揚したりします。
この状態は単なる一時的な落ち込みや気分の浮き沈みとは異なり、脳の働きやホルモンバランスの変化が関与していると考えられています。
気分障害の主な種類
うつ病
気分が長期間落ち込み、興味や喜びを感じられなくなる状態です。疲労感や集中力の低下、自己評価の低下などがみられます。
双極性障害(躁うつ病)
うつ状態と躁状態が交互に現れる病気です。躁状態では気分が高揚し、活動的になりますが、衝動的な行動や浪費などの問題行動が出ることがあります。
気分変調症
軽いうつ状態が2年以上続く状態で、「軽症うつ」とも呼ばれます。症状は軽くても慢性的に続くため、生活の質が下がることがあります。
循環気質症
軽い躁状態と軽いうつ状態が繰り返されるタイプです。双極性障害よりも症状は軽いですが、日常生活への影響は少なくありません。
気分障害の原因
気分障害の原因は一つではなく、複数の要因が絡み合っています。
- 脳内の神経伝達物質(セロトニン、ドーパミンなど)の異常
- 強いストレスやトラウマ
- 遺伝的要因
- ホルモンバランスの乱れ
- 睡眠障害や生活リズムの崩れ
- 薬の副作用や身体疾患
特に、ストレスの蓄積や環境の変化は発症のきっかけになりやすく、予防や早期対応が重要です。
気分障害の主な症状
- 長期間の気分の落ち込みまたは高揚
- 興味や喜びを感じられない
- 疲労感や無気力
- 睡眠や食欲の変化
- 集中力や判断力の低下
- 自己評価の低下、罪悪感
- 焦燥感や落ち着きのなさ
- 自傷や希死念慮(死にたい気持ち)
症状は人によって異なり、うつ型か躁型かによって現れ方が変わります。
気分障害の治療方法
薬物療法
抗うつ薬や気分安定薬、抗精神病薬などが症状に応じて処方されます。脳内の神経伝達物質のバランスを整えることを目的としています。
カウンセリング・心理療法
認知行動療法(CBT)、対人関係療法(IPT)、マインドフルネス療法などが用いられます。考え方や行動のパターンを見直し、ストレスへの対処法を身につけます。
生活習慣の改善
睡眠の質を高め、食事や運動習慣を整えることも症状改善に効果的です。
日常生活でできるセルフケア
- 毎日同じ時間に起床・就寝する
- 栄養バランスの取れた食事を心がける
- 軽い有酸素運動を習慣化する
- 気持ちを言葉にして信頼できる人に話す
- 日記や感情記録で自分の変化を把握する
- 無理な予定を入れず、休息時間を確保する
まとめ
気分障害は、感情の波が長期間続き、生活に支障を与える精神疾患です。放置すると悪化する可能性があるため、早期に医療機関やカウンセリングを受けることが大切です。適切な治療と生活習慣の見直しによって、多くの人が回復や症状の安定を実現しています。
「ただの気分の落ち込み」と思わず、気になる症状が続く場合は専門家に相談してみましょう。