
双極性障害(躁うつ病)とオンラインカウンセリング
「気分が急に高まり、止まらない行動をしてしまう」「逆に落ち込みが長く続き、何も手につかない」――こうした状態が繰り返される場合、双極性障害(躁うつ病)の可能性があります。双極性障害は、躁状態と抑うつ状態が交互に現れる精神疾患で、日常生活や仕事、家庭生活に大きな影響を及ぼします。
従来は対面でのカウンセリングや通院が中心でしたが、近年はオンラインカウンセリングが注目されています。自宅から専門家とつながり、気分の波に合わせた柔軟な支援を受けられるため、外出や面談に抵抗がある人でも利用しやすい方法です。
この記事では、双極性障害の特徴や治療法、オンラインカウンセリングの活用法について詳しく解説します。
双極性障害の特徴
双極性障害は、主に「躁状態」と「抑うつ状態」の気分変動が特徴です。
躁状態
・気分が高揚し、異常なまでの自信や多弁さを示す
・睡眠が少なくても疲れを感じない
・衝動的な行動や浪費、過剰な活動が増える
・判断力が低下し、周囲とのトラブルが起きやすい
抑うつ状態
・気分が沈み、何事にも興味や喜びを感じない
・疲労感や無力感が続く
・自責感や絶望感が強く、自傷や自殺のリスクが高まる
・生活や仕事に支障をきたす
双極性障害は、気分の波が激しく、症状が長期にわたることが多いため、早期の支援と継続的な管理が非常に重要です。
双極性障害の治療法
双極性障害の治療は、薬物療法と心理社会的支援を組み合わせて行うことが基本です。
- 薬物療法
気分安定薬、抗うつ薬、抗精神病薬などが用いられ、躁状態や抑うつ状態のコントロールを目指します。 - 認知行動療法(CBT)
気分変動や衝動行動に気づき、症状の悪化を防ぐための対処法や認知の整理を学びます。 - 家族療法・ psychoeducation(精神教育)
家族や本人が障害について理解し、症状の兆候に早く気づくことができるようサポートします。 - 生活リズムの安定
睡眠や食事、運動などの規則正しい生活リズムを維持することが、症状の安定に重要です。
オンラインカウンセリングのメリット
双極性障害においてオンラインカウンセリングは、以下の利点があります。
- 自宅で安心して受けられる
外出や対面が負担になる場合でも、落ち着いた自宅環境で相談可能です。 - 実生活に即した支援が可能
気分の波に合わせて相談でき、日常生活や仕事での困難に沿った具体的な対処法を学べます。 - 継続的なサポートがしやすい
通院の負担が少ないため、定期的に専門家とつながり、症状管理を継続的に支援できます。 - プライバシーの確保
家族や職場に知られず相談できるため、心理的負担が軽減されます。
オンラインカウンセリングでできる具体的な支援
- 気分の記録と整理
気分変動のパターンを把握し、兆候に応じた対応策を学びます。 - 認知行動療法の実践
躁状態や抑うつ状態での思考の偏りを整理し、衝動行動や自己否定的な思考を管理します。 - ストレスマネジメント
呼吸法やリラクゼーション法、運動習慣などを取り入れ、心理的安定を促します。 - 生活リズムの改善
睡眠や食事、運動、仕事のスケジュール管理をサポートし、症状の安定化を目指します。
成功事例
事例1:30代女性
躁状態での衝動的行動と抑うつ状態が交互に現れ、仕事に支障がありました。オンラインカウンセリングで気分記録と認知行動療法を実施し、4か月後には気分の波が安定し、仕事復帰が可能になりました。
事例2:40代男性
抑うつ状態が長期化し、自宅から出られない状態でした。オンラインで生活リズムの改善と心理教育を継続し、半年後には日常生活に復帰できました。
利用時の注意点
・重度の場合は薬物療法との併用が必須
・気分変動が激しい場合は医療機関との連携が重要
・信頼できるカウンセラーを選ぶことが回復の鍵
まとめ
双極性障害は気分の波により日常生活や人間関係に影響を与えますが、適切な治療と継続的な支援で安定化が可能です。オンラインカウンセリングは、自宅で安心して専門家とつながり、日常生活に即した具体的な支援を受けられる点で非常に有効です。
一人で抱え込まず、オンラインを通じて専門家のサポートを受け、少しずつ気分の安定と安心した生活を取り戻すことが大切です。