「眠れない…」「寝すぎてしまう…」その睡眠の異変、心のSOSかも

寝ても覚めても疲れている…その睡眠、本当に大丈夫?

夜になかなか寝付けない、何度も夜中に目が覚めてしまう、または逆にいくら寝ても疲れが取れず、日中も眠気が襲ってくる――。もし、あなたの睡眠にこのような異変が起きているなら、それは精神疾患の初期症状である可能性があります。

睡眠は、心と体を休ませ、日中の活動に必要なエネルギーをチャージする大切な時間です。そのリズムが崩れることは、心身のバランスが崩れているサインかもしれません。

具体的に、こんな睡眠の異変に心当たりはありませんか?

  • 入眠困難: 布団に入ってもなかなか寝付けず、1時間以上寝返りを打ってしまう。
  • 中途覚醒・早期覚醒: 夜中に何度も目が覚めてしまい、そのあと再び寝付くのが難しい。または、希望より数時間も早く目が覚めてしまい、そのあと眠れない。
  • 過眠: 10時間以上寝てもまだ眠い、日中に強い眠気に襲われ、居眠りをしてしまう。
  • 悪夢の増加: 嫌な夢や怖い夢を頻繁に見るようになる。

これらの症状は、うつ病や不安障害など、多くの精神疾患で見られる代表的な症状です。

なぜ、この「睡眠障害」を見過ごしてはいけないのか?

睡眠は、単に体を休ませるだけでなく、心の健康を維持するためにも不可欠です。

  • 日中のパフォーマンス低下: 睡眠不足は、集中力、記憶力、判断力の低下につながり、仕事や学業に大きな影響を及ぼします。
  • 感情の不安定さ: 睡眠が不十分だと、イライラしやすくなったり、気分の波が激しくなったりと、感情のコントロールが難しくなることがあります。
  • 精神疾患の悪化: 睡眠障害が続くと、精神的な不調をさらに悪化させる悪循環に陥る可能性があります。

「眠れないのは当たり前」「寝すぎは怠けているだけ」と自分を責めるのはやめましょう。心と体が助けを求めているサインかもしれません。

どうしたらいい?

もし、あなたが睡眠の異変に悩んでいるなら、次のことを試してみてください。

  1. 規則正しい生活リズム: 毎日同じ時間に起床・就寝することを心がけましょう。週末もなるべく同じリズムを保つことが大切です。
  2. 寝る前の習慣を見直す: 寝る前のカフェインやアルコールの摂取を控える。スマートフォンやパソコンの強い光は睡眠を妨げるため、寝る1~2時間前からは使用を控えましょう。
  3. 寝室環境の整備: 寝室を暗く、静かに、そして快適な温度に保ちましょう。
  4. 日中の適度な運動: 夕方までに軽い運動を取り入れるのは良いですが、寝る直前の激しい運動は避けましょう。
  5. 専門家への相談: これらのセルフケアで改善が見られない場合や、睡眠の異変によって日常生活に大きな支障が出ている場合は、心療内科や精神科の受診を検討してください。睡眠導入剤の使用や、睡眠に関する専門的なアドバイスを受けることで、質の良い睡眠を取り戻せる可能性があります。

あなたの心と体の健康のために、今一度、ご自身の睡眠を見つめ直してみませんか?