PTSD（心的外傷後ストレス障害）とオンラインカウンセリング
-
著者
needroom-admin
「事故や暴力、災害などのトラウマ体験を思い出すと強い恐怖や不安に襲われる」「夜眠れず、フラッシュバックに悩まされる」――こうした症状はPTSD（心的外傷後ストレス障害）の可能性があります。PTSDは、強い心理的外傷を経験した後に、持続的な不安や回避行動、フラッシュバックなどが現れる精神疾患です。
PTSDは本人の意思だけで克服することが難しく、放置すると生活の質や対人関係、仕事や学業に深刻な影響を及ぼす場合があります。しかし、適切な治療や心理的支援を受けることで症状は軽減可能です。オンラインカウンセリングは、自宅で安心して専門家の支援を受けられる方法として注目されています。
この記事では、PTSDの特徴や原因、治療法、オンラインカウンセリングの活用法について詳しく解説します。
PTSDの特徴
PTSDは、強い心理的外傷体験後に現れる症状が特徴です。
主な症状
- 再体験症状
・トラウマ体験を繰り返し思い出す
・フラッシュバックや悪夢 - 回避症状
・トラウマを思い出させる場所や状況を避ける
・感情の麻痺や社会的引きこもり - 過覚醒症状
・不眠や過剰警戒、驚きやすさ
・イライラや集中力低下 - 認知・感情の変化
・罪悪感や無力感、自己評価の低下
・他者への信頼感の低下
PTSDは症状が慢性的に続く場合があり、生活や人間関係に大きな影響を与えます。
PTSDの原因
PTSDは、心理的外傷体験と個人の心理的・生物学的特性が複雑に関与して発症します。
- 外傷体験
・交通事故、暴力被害、災害、虐待など - 生物学的要因
・脳内神経伝達物質の異常
・遺伝的素因によるストレス反応の過敏性 - 心理的要因
・トラウマ体験への心理的耐性
・過去のストレス経験や性格特性
治療法
PTSDの治療は、心理療法と薬物療法を組み合わせることが基本です。
- 認知行動療法（CBT）
・トラウマに対する考え方や感情の整理
・曝露療法で安全な環境でトラウマ体験を少しずつ振り返る - 薬物療法
・抗うつ薬や抗不安薬を使用し、症状の軽減をサポート
・フラッシュバックや過覚醒の改善に有効 - EMDR（眼球運動による脱感作と再処理法）
・トラウマ体験の記憶を整理し、症状を軽減 - 自助グループや支援ネットワーク
・同じ経験を持つ人と交流し、孤立感を軽減
・体験談や対処法を学び、心理的安心感を得る
オンラインカウンセリングのメリット
PTSDにおけるオンラインカウンセリングは、以下の利点があります。
- 自宅で安心して相談できる
・外出や対面での心理的負担が大きい場合でも、自宅から専門家とつながれる - 継続的な支援が可能
・定期的にカウンセリングを受けることで、症状の悪化を予防 - 実生活に即したアドバイス
・トラウマに関係する日常の不安や回避行動を相談できる
・曝露療法やリラクゼーション法をオンラインで実践可能 - プライバシーの確保
・周囲に知られず相談でき、心理的負担を軽減
オンラインカウンセリングでできる具体的な支援
- 認知行動療法の実践
・トラウマ関連の思考や感情を整理
・段階的曝露で不安を管理 - 感情や行動の記録
・フラッシュバックや過覚醒の状況を記録し、改善策を専門家と共有 - ストレスマネジメント
・呼吸法、瞑想、リラクゼーションで過覚醒や不安を軽減 - 自己肯定感の向上
・回復体験を積み重ね、心理的安定を支援
成功事例
事例1：30代女性
交通事故後にフラッシュバックや過覚醒が続き、仕事や日常生活に支障がありました。オンラインカウンセリングでCBTと曝露療法を実践し、半年後にはフラッシュバックの頻度が減少し、生活の安定が得られました。
事例2：40代男性
災害体験後に強い不安と回避行動が続き、社会生活が制限されていました。オンラインで心理的支援とリラクゼーション法を実践し、3か月後には日常生活への参加が増え、心理的安定が向上しました。
利用時の注意点
・重度の場合は医療機関との併用が必要
・オンラインカウンセリングは心理的支援の補助として活用
・信頼できる専門家を選ぶことが改善の鍵
まとめ
PTSDは、トラウマ体験後に持続する不安や回避行動、フラッシュバックなどが生活に影響を与える精神疾患です。しかし、認知行動療法や薬物療法、EMDRを組み合わせることで症状は軽減可能です。オンラインカウンセリングは、自宅で安心して専門家とつながり、実生活に即した具体的な支援を受けられる点で非常に有効です。
一人で悩まず、オンラインを通じて専門家の支援を受け、少しずつトラウマ体験の影響を軽減し、安心して日常生活を送ることが大切です。
