「周りと違う」と感じたら…自閉スペクトラム症とカウンセリングで理解と成長の道を

「空気が読めない」「こだわりが強い」…その特性、もしかして自閉スペクトラム症?

対人関係が苦手で、人との距離感がわからない」「周りの人の気持ちを共感できないと感じてしまう」「特定の物事へのこだわりが強い」「感覚過敏で、特定の音や光、肌触りがとても気になる」—もし、あなたがそんな特性に心当たりがあるなら、それは自閉スペクトラム症(ASD、または以前はアスペルガー症候群と呼ばれていました)かもしれません。

自閉スペクトラム症は、脳の機能の違いから、主にコミュニケーションや対人関係、そして特定の興味や反復行動に特性が見られる発達障害の一つです。これらの特性は、特に学校生活職場での適応困難をもたらすことがあります。また、特性が原因で、うつ病不安症などの二次障害を併発したり、パニックを起こしやすくなったりすることもあります。特に女性のASDは、その特性が見過ごされがちな場合もあり、診断に至るまでに時間がかかることも少なくありません。

特性を理解し、自分らしく生きるために:カウンセリングという選択肢

「自分は周りと違う」と感じて生きづらさを抱えているなら、一人でその悩みを抱え込む必要はありません。カウンセリングは、自閉スペクトラム症の特性を持つ方が、自分自身を深く理解し、社会の中でより快適に生活していくためのサポートを提供します。

公認心理師臨床心理士といった心の専門家は、あなたの特性や困りごとに寄り添い、具体的な解決策を一緒に探してくれます。カウンセリングは、病気を「治す」というよりは、特性と上手に付き合い、あなたの持つ強みを見つけて伸ばしていくためのパートナーのような存在です。

自閉スペクトラム症に特化したカウンセリングのアプローチ

自閉スペクトラム症の方々やご家族の支援に効果的とされているカウンセリングの手法はいくつかあります。

  • 心理教育ASDとは何か、具体的な特性やその背景にある考え方をご本人やご家族が正しく理解することで、不安を軽減し、適切な対処法を見つける手助けをします。
  • ソーシャルスキルトレーニング(SST)対人関係コミュニケーション困難を感じる場合に、会話の始め方や続け方、感情表現の方法、非言語的な合図の理解など、社会生活で必要となるスキルを具体的に学び、練習します。
  • 認知行動療法(CBT)ASDに伴う不安症うつ病といった二次障害に対して、思考パターンや行動パターンを調整することで、症状の改善を目指します。
  • 応用行動分析(ABA): 特定のこだわりが強い行動やパニックを起こしやすい状況など、困っている行動に対して、その行動がなぜ起きるのかを分析し、より望ましい行動を促すための具体的な介入方法を計画します。
  • 家族療法ASDの特性は家族パートナーとの関係にも影響を与えるため、きょうだい児も含め、家族全員が互いを理解し、支え合える関係性を築くためのサポートをします。特に成人期のASDの方の場合、家族の悩みも変化するため、ライフステージに応じた支援が重要です。

これらのアプローチを通じて、当事者の方が社会の中で自分らしく生きるためのスキルを身につけ、発達支援療育とも連携しながら、より豊かな人生を送れるようサポートします。

あなたに合ったカウンセリングを見つけるために

自閉スペクトラム症の相談を受けられるカウンセリングには、専門家と直接話せる対面カウンセリングのほか、自宅などから気軽に利用できるオンラインカウンセリング電話カウンセリングといった形式もあります。ご自身の状況や、より安心して話せると感じる方法を選んでみましょう。

カウンセリングの費用」や「保険適用」について不安がある場合は、事前に確認することをおすすめします。また、「初回無料カウンセリング」を提供している施設や、「相談 無料」で初期の相談に乗ってくれる機関もありますので、まずは気軽に問い合わせてみるのも良いかもしれません。