自分に優しくすることの大切さ

こんにちは。カウンセラー塚越です。私自身も精神疾患を抱えながら日々を過ごし、そして多くの方の心に寄り添う中で、ある共通の傾向に気づきました。それは、「精神疾患を負う人は、自分にとても厳しい」ということです。

「もっと頑張らなければ」「こんな自分はダメだ」「周りに迷惑をかけている」——そんな声が、あなたの心の中で響いていませんか? 私もかつて、そうでした。自分を追い込み、自分を責め続けることが、病気を悪化させていることに気づかないまま、苦しんでいた時期がありました。

でも、どうか思い出してください。あなたは、病気と懸命に闘っている最中です。このブログを通して、今日から少しだけ、自分に優しくなることの重要性をお伝えできれば幸いです。

「自分に厳しい」ことが、なぜ苦しみを深めるのか

精神疾患は、脳の機能や心のバランスが一時的に崩れることで起こります。うつ病の深い抑うつ感、不安症パニック症社交不安症全般不安症など)による耐えがたい不安、強迫症の終わりのないループ、摂食障害拒食症過食症)の自己肯定感の低さ、依存症アルコール使用障害ギャンブル障害など)の自責の念——これらの症状は、私たちの意思や努力だけではどうにもならない部分が多くあります。

それなのに、私たちはつい「もっと頑張れば」「普通にしていれば」と考えてしまいがちです。

  • 症状の悪化: 自分を責め続けることで、ストレスホルモンが増加し、脳内の神経伝達物質のバランスがさらに崩れる可能性があります。これは、統合失調症双極性障害の症状安定を妨げ、不眠症を悪化させることにも繋がりかねません。
  • 回復の遅延: 「完璧」を目指そうとすることで、少しの失敗も許せず、治療に対するモチベーションが低下することもあります。カウンセリングで得た気づきや、薬物療法の効果も、自己否定の感情によって相殺されてしまうケースも少なくありません。
  • 孤立感の増大: 「こんな自分を見せたくない」という思いから、周囲に助けを求められず、結果として孤立感を深めてしまうことがあります。これは、適応障害PTSDなど、ストレスやトラウマが関わる病状で特に顕著です。

私自身も、解離性健忘離人感に悩まされた時期に、「こんな記憶の抜け落ちがあるなんて、自分が情けない」と自分を責め続け、余計に苦しくなった経験があります。

自分に優しくする勇気を持つということ

自分に優しくすることは、決して「甘やかす」ことではありません。それは、治療の一部であり、回復への重要なステップです。

1. 「病気は自分のせいではない」と認識する

まず、最も大切なことです。精神疾患は、あなたの性格が弱いから起こるものではありません。脳機能のアンバランス、環境ストレス、遺伝的要因など、様々な要素が複雑に絡み合って発症します。神経発達症(ASDやADHD)といった特性も、その方の「個性」であり、それを「ダメな部分」と捉える必要はありません。

2. 「完璧」を手放し、「今の自分」を受け入れる

セルフチェックで自分の状態を把握することは大切ですが、その結果に一喜一憂しすぎないでください。「今はこれが精一杯」と、自分の限界を認め、許すことが、自分に優しくなる第一歩です。 例えば、うつ病克服の過程で、以前のように活動できない自分を責めるのではなく、「今は休む時期だ」と受け入れることです。**学習障害(LD)**を抱えていても、特定の分野で困難があることを認め、別の得意なことを見つけることだってできます。

3. 「小さな頑張り」を認めて褒める

大きな目標を立てるのではなく、日々できるようになった小さなことを認め、褒めてあげましょう。

  • 「今日は起き上がれた」
  • 「薬を飲むことができた」
  • 「少し外の空気を吸った」
  • 「カウンセリングに行けた」 どんなに小さなことでも構いません。この「小さな成功体験」の積み重ねが、自己肯定感を高め、次の一歩を踏み出す力になります。

4. 他者からのサポートを素直に受け入れる

自分一人で抱え込まず、医師、カウンセラー、家族、友人など、信頼できる人に助けを求めることは、自分に優しくすることの証です。高崎市にも、あなたの心の声に耳を傾けてくれる精神科メンタルクリニックがあります。

カウンセリングは、あなたが自分を責めることなく、安心して心の状態を話せる場所です。私も自身の経験から、人に弱みを見せることの難しさを知っています。だからこそ、カウンセリングという専門的な場で、安心して心を開く練習をすることをお勧めします。

自分に優しくなるための具体的なセルフケア

  • 「心の休息」を意識的に取る: スケジュールを詰め込みすぎず、何もせずボーっとする時間や、好きなことに没頭する時間を意識的に作りましょう。不眠症の改善のためにも、リラックスできるルーティンを取り入れることは非常に有効です。
  • ポジティブな言葉がけ: 自分に対して「大丈夫」「よく頑張っているね」といった優しい言葉をかける習慣をつけましょう。
  • 完璧主義を手放す: 「~でなければならない」という思考は、私たちを苦しめます。時に「まあいいか」と肩の力を抜く勇気を持ちましょう。
  • 失敗を許す練習: うまくいかなかった時も、それを学びの機会と捉え、自分を責めるのではなく「次はどうすればいいか」と建設的に考える練習をします。

あなたの回復のために:高崎の地から

精神疾患との共存は、自分自身との長い旅路です。その旅の途中で、立ち止まること、後退することもあるでしょう。でも、決して「自分はダメだ」と決めつけないでください。

私自身も、今も病気と向き合いながら、一歩ずつ進んでいます。私が変われたのは、自分に優しくする勇気を持てたからです。

ここ群馬県高崎市から、心から願っています。どうか、あなたはあなた自身に、一番の理解者でいてあげてください。自分に優しくすることで、あなたの心は必ず、回復への新たな扉を開いていくはずです。