妄想性障害には医療とカウンセリングの両立が効果的です

妄想性障害(パラノイア性障害)は、現実とは異なる内容の妄想を長期間抱き続ける精神疾患です。周囲からは「普通に生活しているように見える」のに、心の中では強い疑念や恐怖、不信感を抱えていることが多く、本人にとっては非常に苦しい状態です。

このような症状には、医療的な治療だけでなく、心理的な支援=カウンセリングも併せて行うことが回復へのカギとなります。この記事では、妄想性障害の特徴や、医療とカウンセリングを両立するメリットについて解説します。

妄想性障害とは?

妄想性障害は、現実ではありえないような内容を現実のこととして強く信じ込んでしまう病気です。その妄想の内容には以下のような種類があります:

  • 被害妄想(誰かに狙われている、監視されている)
  • 嫉妬妄想(パートナーが浮気していると思い込む)
  • 関係妄想(周囲の言動すべてが自分に向けられていると感じる)
  • 誇大妄想(自分は特別な使命を持っている、有名人とつながっていると思い込む)

妄想の内容は非現実的であっても、本人にとっては「確信」として強く根付いているため、否定されたり疑われたりすると強く反発したり、関係が悪化したりすることもあります

妄想性障害の治療には「信頼関係」と「継続的な支援」が必須

薬物療法の役割

精神科医の診断に基づき、抗精神病薬などが処方されることがあります。特に被害妄想が強い場合や生活に支障が出ている場合は、薬で妄想の強さや緊張感を緩和させることが重要です。ただし、本人が病識を持ちにくいケースも多く、薬の服用に抵抗感を持つことがあります。

カウンセリングの役割

妄想性障害では、信頼できる対話の場を作ることが何より大切です。カウンセリングでは、妄想を無理に否定せず、本人の感じている不安や恐れに寄り添いながら、少しずつ視点を広げる支援が行われます。

主なカウンセリングの目的は以下のとおりです:

  • 妄想の背景にある不安やトラウマの理解
  • ストレスの軽減と感情の安定化
  • 人間関係の再構築や誤解の修正
  • 再発予防のためのセルフケア支援
  • 家族や周囲の人の接し方についてのアドバイス

医療とカウンセリングを両立するメリット

1. 妄想に対する視点がやわらぐ

妄想そのものを「間違っている」と押しつけるのではなく、「なぜそう感じるのか」「本当は何を怖れているのか」という心の奥にある感情を丁寧に整理することで、少しずつ考え方に柔軟性が生まれていきます。

2. 孤立を防ぎ、安心できる場ができる

妄想性障害のある方は、周囲との関係がぎくしゃくしがちで孤独を感じやすい傾向にあります。**責められず、受け入れてもらえる場所(=カウンセリング)**があることで、自分を守る力が回復していきます。

3. 家族や支援者へのアドバイスが受けられる

「どう接すればいいかわからない」という家族や支援者にとっても、カウンセラーからの助言は大きな助けになります。本人との関係を壊さず、支援していくコツを学べます。

NEEDROOMでの対応

NEEDROOMでは、妄想性障害を含むさまざまな精神疾患に精通したカウンセラーが在籍し、薬物療法と並行しながら行える心理的サポートを提供しています。妄想に対しては否定せず、尊重しながら信頼関係を構築し、少しずつ安心できる心の土台を育てていくアプローチを行います。

また、通院が難しい方や家族と離れて暮らしている方にも対応できるよう、オンラインカウンセリングも行っています。

まとめ

妄想性障害は、本人にとって非常にリアルで苦しい体験が続く病気です。だからこそ、医療とカウンセリングの両輪での支援が必要不可欠です。薬による治療で症状を落ち着かせ、心理的支援で生活の安定や人間関係の改善を図っていくことで、より豊かな人生を取り戻すことが可能です。

妄想に悩んでいるご本人はもちろん、ご家族の方も、決して一人で抱え込まずに、ぜひ一度専門家にご相談ください。NEEDROOMは、あなたの味方として、心のケアを全力でサポートいたします。